厚生労働省平成22年度障害者総合福祉推進事業

事業完了報告書

厚生労働省平成22年度障害者総合福祉推進事業の最終報告書を作成致しました。
ご協力してくださった皆様に対して、心からの感謝の意を表します。



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1 事業の目的


障害者福祉法で定める身体・知的・精神のいわゆる三障害を中心とする当事者 ・家族会等によって、当事者同士の援助活動であるピアサポートが培われ、大都市 圏域を中心に活発な取り組みが行われてきた。このピアサポートには、家族であっ ても共有できない苦悩や葛藤の谷を埋める効果があるとされるが、活動の大半がボ ランティアであるため、人的・財源的な問題から継続性に課題があった。最近にな り障害者団体から「ピアサポートの制度化」に関する要望書や内閣府障がい者制度 改革推進会議福祉部会へも意見書が提出されたところです。一方で、その他障害者 (難病・発達障害・高次脳機能障害)は、最近「障害のある人」としてその特性が 認知されるようになり、発達障害者支援法やモデル事業等が創設され、個別の対応 がなされてきた。しかし、支援組織も全国規模の団体から小規模団体と多種多様で 、どこでどのような活動をしているのかが把握し辛いという状況にあります。今回 、全国の当事者団体や家族会等を掘り起こし、既に活動している障害者団体と比較 検討を行い、障害特性から派生するニーズや支援のあり方をデータ化することで、 今後の制度化を図る上での研究に寄与することを目的に実施いたします。

2 事業名

「その他障害者のピアサポート活動実態調査事業」

3 期 間

平成22年8月1日から平成23年3月31日まで

4 事業主体

特定非営利活動法人おーさぁ 健軍くらしささえ愛工房
〒862-0904 熊本市栄町2−15 県営健軍団地1階
理事長 小笠原 嘉祐

5 事務局

事業主体と同じ
プロジェクト事務局長 中山泰男

6 事業内容

(1)「調査研究委員会」の設置(年4回開催)

この事業を推進するために委員会を設置し、事業の推進方法、 調査手法やデータの加工状況、報告書化等にかかるアドバイスや 提言等を頂きます。(委員名簿は別紙1のとおり)
  @事業の推進について
  Aアンケートの質問項目と送付先の選定について
  B現地訪問・聞き取りのための団体選定と調査項目について
  Cアンケート調査と聞き取り結果の分析と評価について
  D報告書の作成、配布先や公表方法等について

(2)全国アンケート調査   500団体

先駆的に事業を行う全国精神保健福祉連合会、障害者インター ナショナル日本、ピープルファースト等の活動実態調査を行い、 ピアサポートに求められる「あるべき姿(基本事業)」を抽出して、 チェックリスト化を行う。そのリストに基づいてアンケート用紙を 作成し、全国の団体へ配布・回収を行う。

  ・配布日  平成22年10月下旬に配布完了
  ・回収期間 平成11月上旬〜中旬の2週間
  ・質問内容

      @ピアサポーターに求められるスキルや資格
      A特色のある活動の状況(ピアカウンセリングや、ピアサポーター養成講座など)
      B運営にかかる収支など



      アンケート挨拶文
      アンケート用紙

(3)訪問による聞き取り調査  15団体

現地を訪問しピアサポートの実態やニーズの聞き取りを行うと共 に、行政機関や企業からは効果的なシステム作りについて第三者 の意見を聞き取る機会とする。

  ・情報収集に有望な団体や地域の訪問調査              15団体
  ・ヘルスケア団体支援活動を行う医薬品会社等を訪問調査    2社


(4)調査の公表方法

  ・報告書の作成       100部
  ・事業全体の進め方や調査方法、インタビュー、検討結果などを網羅した報告書の作成。
  ・報告書をPDFデータ化し、事業所のホームページからダウンロードできるようにする。

委員長挨拶

その他障害者のピアサポート活動実態調査事業(厚生労働省委託)について


委員長 和田 要(熊本学園大学教授)

特定非営利活動法人 おーさぁ
その他障害者のピアサポート活動実態調査委員会





 障害者自立支援法では、身体・知的・精神障害を中心とする当事者・家族会等によって、当事者相互の援助活動であるピアサポ ートが培われ、さまざまな活動が全国で展開されている。
 障害者自立支援法では、その他障害者(難病・発達障害・高次脳機能障害)と規定され、最近になって「障害」という認識が 徐々に広まってきた。しかし、現在の障害者手帳制度では全体を把握するシステムとなっていないため実態がつかみ難い環 境にある。そのような中で、家族であっても共有できない苦悩や葛藤を埋める機能としてピアサポートがある。
 ピアサポート活動は大方がボランティアであり、人的・財源的な問題から活動の継続性や活動の遺産の継承に課題があった。 内閣府障がい者制度改革推進会議福祉部会に当事者団体から「ピアサポートの制度化」に関する意見書も提出されている。
 特に、「その他障害」当事者がどの程度、どこでどのような活動をしており、支援組織も全国的にどのような活動を行って いるかが把握されていない状況がある。
 今回、全国の「その他障害」当事者等のピアサポートを掘り起こし、障害特性から派生するニーズやピアサポート活動の 支援実態を調査し、今後の制度化の促進を図る上での研究に寄与することを目的とする。
 なお本事業は、厚生労働省の平成22年度障害者総合福祉推進事業国庫補助を受けて行うものである。
                                                                        平成22年8月19日